長い冬休み(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)
2016年1月16日 家族・子育て
小5で育児放棄された一年を除いて、学校が休みになると、あの人とずっと過ごさなければならない。父が赴任先から帰ってくることで、母の関心がそちらに向いて、楽なときもあるが、子どもの成長過程でよくあることを、さも重大な過失のように「困るわぁ困るわぁ」などと言いつけるあの人のせいで、自分は異常に困った子どもなのか? と悩むことにもなった。
あの人にされた理不尽な虐待を、わたしが父に伝えようとすると、あの人は困り笑顔で「なに言ってるの、もう! ウソばっかり言って!」と言いながら、わたしを抓ったり頭を小突いたりする。
それは体の後ろに手を回して素早く鋭く行われるので、おそらく父には見えず、またわたしが痛さで言葉を失うに十分だった。そして、本当のことを言っているのに、「ウソばっかり言って!」と言われることで、逃避として児童文学を読んでいたこともあり、現実とそうでないことの境界がはっきりしなくなっていった。
加えて、父のいない日常に躊躇なく手をあげられるせいで、じきにわたしは誰かが自分のそばで手をさっと動かすだけで、ビクッとするようになった。
この癖のために、小5の育児放棄が終わって男女共学の小学校に転校してから、わたしはいじめたい盛りの男子にいじめられるようになる。
あの人にされた理不尽な虐待を、わたしが父に伝えようとすると、あの人は困り笑顔で「なに言ってるの、もう! ウソばっかり言って!」と言いながら、わたしを抓ったり頭を小突いたりする。
それは体の後ろに手を回して素早く鋭く行われるので、おそらく父には見えず、またわたしが痛さで言葉を失うに十分だった。そして、本当のことを言っているのに、「ウソばっかり言って!」と言われることで、逃避として児童文学を読んでいたこともあり、現実とそうでないことの境界がはっきりしなくなっていった。
加えて、父のいない日常に躊躇なく手をあげられるせいで、じきにわたしは誰かが自分のそばで手をさっと動かすだけで、ビクッとするようになった。
この癖のために、小5の育児放棄が終わって男女共学の小学校に転校してから、わたしはいじめたい盛りの男子にいじめられるようになる。
コメント