犬のいる家に行こう、と言われて
あの人に連れられて行った

広い部屋の中に犬のケージがあって
でもおとなしい白い大きめの犬は
ケージには入らず、部屋で触らせてくれた

その家の子どもは同じ小学校の下級生
ほとんど面識はなかったはず

その家から帰ってから
「あの家の◯◯ちゃんは、宿題、全部、学校でやってきちゃうんですって! おうちで宿題やってないから、お母さんが聞いたら、そうなんですって」
と言われた。
「あなたもそういうふうにできないの?」
と、言われたかどうか覚えていないが
そういう意味合いで言っていることは、わかった

◯◯ちゃんがいいなら
◯◯ちゃんを養女にすればいいのだし、
◯◯ちゃんみたいにできる子にするよう
育て方を教わればいいのだし、
この人は何を言っているんだろう

そう思っていた

ほかにも
「◆◆さんちの子みたいに」
とか
「▽▽さんみたいに」
など、いろんなうちの子を引き合いに出された

それは、少しずつ確実に
「わたし」というものを
削り取っていった

なにしろ、自分でないものになれ、
と、言われ続けているのだから

だから、そんなことをしておいて、あの人が、
「子どもたちは何者にもなれなかった」
と、子どもの努力が足りなかったからだと
思っているらしいのを見ると
「あたりまえじゃない?」
と、苦笑しか出ない

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