Glolia

2006年7月12日 その他
「何を見ても何か思い出す」という
ヘミングウェイの未発表短編集は
どうやら、絶版になっているらしい

’90前半に出たばかり、と、思っていたのに
本当に最近は、本の寿命が短い

この本の「何を見ても何か思い出す」、と、いう
表題作は、ヘミングウェイとその息子の
うまくいかない関係が、見て取れる

この作品に登場している息子か、どうか、ともかく
ヘミングウェイの二度目の妻の子は
’01の10月にマイアミの拘置所の女子房で、病死する

彼・グレゴリーは、性転換手術をし
女性名「グロリア」を名乗り
女性として生活をしていた、と、いう

拘置所に収監されたのは、裸で通りを歩いていての
公然わいせつの罪に問われて、だった

彼がヘミングウェイとの関係を問われて、語った
「愛情あふれ、威圧的で、
 善意のつもりの父親のもとでは
 子どもがダメになる」
と、いう言葉を読むと、「何を見ても何か思い出す」で
描かれた「息子」、こそ、彼なのではないか、と、思う

ともかくも、その本自体が絶版なので
ちょっと、困ってしまうのだけど
「何を見ても何か思い出す」、とは
作文の宿題で、誰か作家の作品を下敷きに
ズルをして作成した息子を、ヘミングウェイが叱った際
息子は、
「パパはなんでも知ってるから
 『何を見ても何か思い出す』んでしょ」
と、抵抗した、と、いう話だったように思う

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