La piece de miel doux

2006年4月4日男の子

あたいは、でも、ただ脳天気に

恋に溺れているだけじゃないのよ

その証拠に、きのうの昼間は、片方の瞼が

チックで、ずっと、ぴくぴくと痛んでたわ

だって、いろいろ考えるもの

あの人もつきあいはじめには

「かわいい、かわいい、なんでこんなにかわいいのー！」

って、あたいを抱き締めて、ベッドで転がり回っていたのよ

あの彼だって

「神様がぼくに与えてくれたんだと思った」

って、言ってたけど、いまはあたいを恨んでるって、噂を聞くし

遡れば元夫も

「あなたのお世話をさせてください」

って、言ってたのに、結局は、さんざん妨害してくれたもの

だからね、溺れているあたいの内側で、もうひとりのあたいが

冷静に藁をつかもうとして、瞼がぴくぴく、するんだと思うのよ

でも、あたいは楽観的な運命論者だから

ぴくぴくする痛みが収まれば、元の木阿弥なの

どうしようも、ないわね、これじゃ

男の子の心変わりを、責められやしない