結局、わたしの希望は、早く死ぬこと、だったのです。

だった、と過去形なのは、それを自覚したのが、「早く死にたい」、と、言葉に出したそのときで、それと同時に、「早く死にたい」、というその希望が、言葉とキスで、缶入りのカルピス程度には、薄められたから。

今まで、この、自分の中の強烈な希望に、気付かないでいたのは、周りに死なれ続けてきたことからの、悔しさ、そして、この希望がカルピスの原液くらいの、あまりの濃さと甘さで、こころの奥底に澱んでいたから。

けれど、「早く死にたい」、と、いう自らの音声が、マドラーがわりになって、この原液は浮上するのと同時に、拡散したのです。

この液体を飲み下して、そして、消化してしまうことが、わたしに、果たしてできるのか。

それを考えると、「一緒に生きよう」、と、言われても、ほがらかに即答することは、まだ、できないでいるのです。

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